今朝のこと

2003年2月12日

今朝、はるたと二人で朝食を食べていると、
お味噌汁は食べたくないと言う。

「それは病気だから、幼稚園休んで病院に行かなきゃ」
とワザと言うと、
「ぼく、死んでも平気だよ。
だって死んだら何にもなくなるだけじゃん」
などと言うではないか。

「そんなこと言うもんじゃないよ、死んだら、
お父さんにもお母さんにも、あかねちゃんにも、
もう会えなくなるんだよ」
「うん、平気だよ、お墓に入るだけだよ。天国に行くし」

これは大変、何でそんなこと思うんだろう。

「死ぬって大変なことなんだよ。
痛かったり苦しかったりすることも多いし、
そう簡単には死ねないよ。

お父さんとお母さんははるくんが生まれたとき、
とっても嬉しかったよ。
お父さんとお母さんは、はるくんが大きくなって、
幸せな大人になって、
おじいさんになるまで元気でいて欲しいと、
思っているんだよ。
はるくんに会えなくなったらとっても悲しいよ。

命を大切にしなくっちゃ駄目だよ。
死んじゃ駄目なんだよ。何が何でも生きてなくちゃ駄目。
わかった?」

はるたは赤くなった眼をしきりにこすっている。
「お父さんやお母さんより先に死んじゃ駄目。
お父さんやお母さんが死ぬ時に、
そばにいて、見届けてくれなきゃいけないんだよ。
分かった?」
眼をこすりながら、はるたは黙ってうなづいた。

私は言いながら、
親が子供に本当に伝えなくちゃいけないのは、
このことに尽きるんじゃないかな?
と思った。

はるたが一人で危険に直面した時、
簡単に諦めないで、
私の言葉を思い出して、生きなければ、
・・・と思ってくれたら。

そんな思いを込めて、言葉をかけたけれど、
本当に分かってくれたかな???

先日の、姉妹が山中で亡くなっていた事件、
そしてもっと前の、
阪大付属小学校での惨事。
自分の子供が苦しみや絶望や恐怖の中で、
死んでいったという時、
どれほど親は辛いだろう、悲しいだろう。
どんなに月日が経っても、いいことがあっても、
その苦しみは癒されないに違いない。

そんなことを思って、胸がつまる思いだった。

はるたは長いこと眼をこすっていた。

それにしても、
冷静に話せてよかった。
最初に「何でそんなばかなこと言うのよ!」
パカーン!
とかやっちゃってたら、
伝えるべきことも伝えられなかったよね。

私も少しは大人になったのかな?
なーんてね!

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