ケイコさんのこと

2002年3月4日
ケイコさんが、天国に行っちゃってから、もう7年がたつ。7歳違いだったから、今は私があの時のケイコさんの年齢。

年下だからって決して下に見たりしないで、いろんなことを打ち解けて話せた。会う機会が少なくなってからは、よくお手紙をくれた。とってもきれいな字で、でも冷たい感じではなくて…。

人の痛みの分かる人だった。ケイコさんは過去に、鉄道で自殺未遂をしたことがあって、片手片足が、途中から義手義足だった。「目が覚めたら
両親の顔が緑色だったのよ」娘を心配して顔色を失ったご両親のことを、そういう風に話してくれた。
私の結婚式にも来てくれて、それまでの生活の全てから離れて遠くの地で暮らす私を気遣ってくれた。
がんだって聞いた時、私はきっと治ると信じていた。手紙のやり取りでも彼女は悲観している様子はなかった。ようやくお見舞いに行けた時、彼女はとても小さくなって、でも喜んで笑顔を見せてささやくような声で、いろんな話をしてくれた。
「もし神様が許してくれるなら、心の痛んでいる人の助けになりたいのよ」と言っていた。私は「ケイコさんならなれるよ」と心から答えた。

その日から3週間、またお見舞いに行こうとしていた矢先に、息を引き取ったと言う知らせがあった。信じられなかった。
見上げれば空はどこまでも青くて、その中を光り輝いて、昇っていくケイコさんのイメージが浮かんだ。悲壮な死という印象はなく、神様に愛されて、引き寄せられた魂だったんだ、と思った。
でも私の喪失感は大きく、穴はいつまでも残った。嬉しいにつけ、悲しいにつけ、彼女に手紙を書きたいと切実に思った。

大切な友人ケイコさん、私は今でもあなたとお友達になれたことをとっても感謝しています。もっともっとお話したかったなあ…。

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